新建材多め無機質な戸建リノベーションには有機的な杉フローリングが生きる
岡山県総社市の戸建リノベーション物件に無垢フローリング(すぎ・節あり・15mm)をお使いいただきました。
新建材が多く使われた築20〜40年程度の戸建住宅は、無垢材を内装にあしらうことで柔らかくあたたかみのある印象に変わりますね。
無機質な空間が自然素材によって有機的な印象になります。
新建材が多用されている築25年・2階建て木造住宅
今回の物件は、総社市内に建つ床面積182.34㎡(55.15坪)、築25年の2階建て木造住宅。
主に1階の間取り変更、床の張替、キッチン、お風呂、トイレの変更といったリフォームを行っています。
家賃や間取り、駅からの距離といった既存の不動産価値ではなく、独自の視点で不動産の魅力、面白さを紹介するタルト不動産による戸建リノベーションです。
既存の内装も生かしつつ、間取りや素材を変えることで大きく様変わりしています。
杉15mm厚フローリングを施工しやわらかい印象に仕上げる
無垢フローリングに合わせて天井や建具も木質素材を選んでいるので全体の統一感があります。
壁面や窓下の収納は黒色を選ぶことで引き締まった印象になりますね。
杉の無垢フローリングは芯材(赤身)と辺材(白身)で施工当初は色味が1枚1枚異なりますが、紫外線により次第に色味が落ち着いてきます。
杉は空気層を多く含み柔らかい分、裸足で歩いた時の踏み心地の良さと温かさを味わいやすい素材です。
個人的には間取り変更した際に残した中央部の柱がお気に入りです。
壁を抜いて広々とした間取りにしつつも柱がパーテーションの代わりになって空間の仕切りになりますね。
柱に沿ってソファを置けば窓から注ぐ日光で読書が捗りそうです。
初心者でも塗りやすい自然塗料・未晒し蜜ロウワックス
西粟倉村を訪れたこともあるお施主さまがご自身で床の塗装して仕上げてくださいました。
使用したのは小川耕太郎∞百合子社の未晒し蜜ロウワックスです。
蜜ロウというやわらかなロウで膜をつくるため、木ならではの働きをそのまま生かしつつ、木の内部にエゴマ油が浸透することで、木目が深くなり経年と共に木に表情がでてきます。
一般的な液体塗料と異なりマーガリンのような柔らかい質感なので塗装初心者でも塗りやすいのも特徴です。
無垢材の経年変化を楽しみつつ愛着のある家に育てていただけたら嬉しいです。
- デザイン・工事 タルト不動産
- プロジェクトサポート studio juna
- 撮影 Kato Shinpei Photo