【ウッドショック】コロナ禍で原木や木材が品薄高騰 私たちが安定供給・価格据え置きを守り続けている理由

ウッドショック。聞き慣れない言葉ですが、コロナ禍で起きている木材業界の大きな動きです。「木材価格が高騰してるって聞いたんですけど…」「そちらの原木市況はどうですか?」と工務店さんや同業者さんから聞かれることも日に日に増えてきました。

今回はウッドショックに対する西粟倉・森の学校の姿勢について書きました。私たちはウッドショックの状況下でも安定供給価格据え置きを守り続けています。

なぜ私たち西粟倉・森の学校がこういった意思表示をするかと言えば、「ウッドショック」とインターネットで調べてみれば検索に引っ掛かるのはニュースサイトや工務店&設計事務所のブログばかり。1番の当事者である木材業者が真っ先に情報を発信するべきでは?と考えたからです。岡山の小さな材木屋の事例でしかありませんが、お客さまの不安を少しでも取り除ければ嬉しいです。

コロナ禍で原木や製品が品薄・高騰する第3次ウッドショック

ウッドショックを簡単に説明すれば、世界中で起きている原木(丸太)や木材価格の高騰状態を指します。木材価格が高騰する理由は単純、供給量よりも需要量が上回っているためです。

今回のウッドショックは第3次ウッドショックと言われています。つまり、第1次第2次が過去にありました。

■第1次
1992〜1993年。マレーシアで規制により南洋材が急騰。加えてアメリカでの環境問題やカナダでの過伐調整で丸太が急騰。この米材価格の高騰が欧州材の本格輸入の道を開くことになる。
■第2次
2006年頃。BRICs等の新興国や中国での木材消費が急増し世界の木材供給量が追い付かなくなった。
■第3次
2020年〜。アメリカでコロナ禍による生産調整の最中、経済政策による住宅産業が活況する。木材供給が追い付かなくなり価格が高騰する。さらに中国の国内需要も高まる。米中の需要が高い中、品質・価格にうるさい日本に出荷する理由が少ない

今回の第3次ウッドショックは以下の流れで木材価格高騰が起きていると言われています。

1. 2020年〜新型コロナウイルス蔓延
2. 都市や港がロックダウンし、海運輸送費が高騰する
3. 長引くコロナ禍でアメリカ郊外で戸建住宅需要が高まる
4. アメリカや中国が大量に買い付けし木材価格が高騰欧州にも波及
5. 品薄によって日本国内のハウスメーカーが欧州材→国産材に切り替え
6. 国産材の原木・製品が品薄化→価格高騰

2021年4月末には国内製材大手・中国木材ベイマツ乾燥材・杉集成管柱7,000~8,000円値上げしたことが業界内で大きなニュースとなりました。岡山県北を代表するCLTメーカー・銘建工業も集成材管柱を3割減産すると発表しています。

国内プレカット工場大手・ポラテックも4月に続き5月も受注・デリバリー制限を続ける見込み(2割減)と発表されています。構造材の安定入荷ができず生産調整をするプレカット工場は数え切れません。

国産材(杉・桧)の原木用丸太や構造材も値上がりを続けています。私たち西粟倉・森の学校のような岡山県北の中山間地の材木屋にも影響が起きています。おそらく今後は合板の価格も吊り上がってくるでしょう。

木材不足や価格高騰によりいつ流通業者はいつ入荷できるか分からないような状況が続いています。一方で家づくりでは施主さまとのお打ち合わせから設計〜建築と完成までに半年〜1年以上もの時間が掛かることもあります。全国のハウスメーカーや工務店は部材・樹種変更、納期の調整等を余儀なくされています。

中間流通業者が多数介在する木材流通

木材流通の過程では中間流通業者が多数介在します。山主さんが育てた木がエンドユーザーの家に導入されるまでに10社以上の業者が噛むことも少なくありません。まとまった物量を動かし製材業者の安定生産を下支えする原木商社、邸別配送に応える小回りが効く配送機能を持つ小売店。それぞれの中間流通業者が流通過程で役割を担っています。

特に今回は欧州のSPF材(スプルース、パイン、ファー)の輸入量が減少が原因となり、国産構造材の引き合いや原木価格の上昇に繋がっていると言われています。大手ハウスメーカーは構造材にSPF材やベイマツを採用していることが多く、提携するプレカット工場がSPF材の仕入れができないことで生産調整が発生しています。

日本国内では年々減少傾向にあるものの4,500社(2018年)もの製材業者が存在しています。そのうち国産材の素材入荷量は1,256万㎥とデータが出ています(2018年)。父ちゃん・母ちゃん・兄ちゃんの家族で製材する家族経営的サンチャン製材から年間100万㎥以上の製材量を誇るガリバー工場まで規模は様々です。西粟倉・森の学校は年間3,000㎥(丸太換算で1万本ほど)の原木消費量の中規模工場です。国産原木入荷量における私たちのシェアはわずか0.02%に過ぎません。

規模が小さい工場なりに企業活動を続けるため、私たちは様々な取り組みをしています。無垢フローリング等の住宅用内装材の製造販売を主力としながらも、素材となる原木を売買する原木流通事業やエンドユーザー向けにオリジナルDIY製品の開発など、木材流通の過程で幅広く事業に取り組み、細く長い縦串を通すことに注力しています。

原木流通〜木材加工〜販売まで少量多品種のモノづくりで価値を出す

西粟倉・森の学校の特徴を整理すると以下の3つです。

■西粟倉・森の学校 3つの特徴
原木流通〜木材加工〜販売まで一貫した製造体制 木材流通において細く長い縦串を通す
・DIY用木材1枚の販売〜公共建築物の木材供給まで少量多品種のモノづくりに取り組む
・既存流通に依存せず、工務店への直販や自社ECサイトによる独自の販売経路を持つ

私たちは売上規模にしてみれば年間3〜4億円の小さな木材工場です。スタッフ数は25名程度。創業から12年経ち、ようやく小学6年生になったばかりです。まだまだ子どもです。

創業数十年〜数百年と続く老舗企業も多い木材業界において、他の企業と同じことをしていては生き残ることができないと分かっていました。小さな林業地の小さな木材工場が存続し続けるために重要視していたのが市場に揺さぶられない流通・販売の基盤を構築することでした。格好良く言葉にしてみましたが、つまりは他の木材工場が面倒くさがってやらないことを全力で取り組むということです。失敗してもいいからまずはやってみよう!の精神でチャレンジを積み重ねてきました。

■西粟倉・森の学校の強みを生かした事業展開
・良質な原木を安定的に仕入れるノウハウを生かし合板工場や木材商社に原木を販売する
・サプライチェーンを生かしたFSC認証合板の製造・販売
・山主が持つ山から原木を伐採し、山主さんが建てる戸建住宅の内装材を加工・納品する
・窓枠など造作材を工場でプレカットし邸別配送 現場施工コストを削減する製品のプラモデル化
・住宅産業の縮小を見越しオリジナルDIY製品を開発 自社ECサイトで販売する

分業化・規格化・流通の多様化が進む木材業界においては市場の持つ力は強大です。「丸太が手に入らずモノづくりができない。工場が手を持て余している」「市場に言われた価格が安くてもモノを作り続けるしかない」といった同業者の声を多く耳にしてきました。

だからこそ、市場に生かされる工場ではなく市場を活かすモノづくりができる工場を目指してきました。1つ1つの事例は数千万円規模の小さなものです。たくさんの失敗も重ねてきました。しかし、これらの積み重ねこそが私たちの強さです。

原木や木材が品薄・価格高騰しても安定供給・価格据え置きを守り続けています

「次はいつ入荷できるか分からないと仕入先が言っており不安だ」「数を合わせるために普段とは異なる業者から仕入れてみたら品質が非常に悪かった」「すでに施主さまと契約しており木材価格の高騰を飲み込めない」と悩んでいる工務店や施工業者は数え切れないと思います。

私たちも日々値上がりを続ける原木価格に不安を感じています。ただでさえ薄利多売のビジネスモデルで成長してきた木材産業ですから原材料となる原木の高騰は致命的です。

しかし、私たちはウッドショックにおいて、原木や木材の品薄・価格高騰があっても安定供給・価格据え置きを守り続けています。それはお客さまに安心して木材を使い続けていただきたいからこその意思表示です。正直に言えばとても大変です。でも、ここで木材業界が踏ん張らなければ山の未来はありません。

原木市場に頼り切らず山から直接仕入れし自社で選木・利用・販売

私たちは原木調達の基本姿勢として可能な限り山から直接調達できる方法を選択しています。素材生産業者の山土場から直接原木を買い付け、自社で選木し工場で製材をしています。自社利用だけではなく、合板工場や木材商社にも販売しています。もちろん特殊材を市場で仕入れることもありますが、普段から市場や相場に揺さぶられにくい調達方法を模索しています。

原木市場に頼り切らず山から原木を直接仕入れるのには2つの理由があります。

  • 山と顔が見える木材流通を構築し、透明性のあるモノづくりに取り組むため
  • 市況に揺さぶられないようにリスク分散、安定的に高品質なモノづくりに取り組む

「最近は原木価格が高いので製品価格も値上げします」これが木材業界の当たり前です。ウッドショックにおいては「原木が入手できず製品生産ができないので納品できません。いつ納品できるかも分かりません」となっているわけです。これでは木材業界の主要な取引先である建築業界の工務店や設計事務所は安心して国産材を使い続けることができるでしょうか?私たちはそうは思いません。

私たちは市場での品薄・価格高騰に揺さぶられず安定した原木調達を可能にする体制を構築してきました。だからこそ、安定供給を維持し、価格据え置きを守り続けています。ウッドショックが始まってから急ピッチで準備を進め、内装材に加え構造材の定期納品が始まった取引先もあります。

国産材に特化 住宅用内装材から公共建築物の木材供給まで対応

私たちが木材業界や建築業界に提案できる製品は以下です。

  • 原木丸太 … 素材生産業者から調達・自社選木した原木を販売
  • FSC認証合板 … 透明性のあるサプライチェーンによるFSC認証合板の販売
  • 家具用材 … 国産材家具用パーツのプレカット・一括納品
  • 構造材 … 住宅用内装材と合わせた土台・柱・横架材等の構造材販売
  • 住宅用内装材 … 杉・桧の無垢フローリングを中心にあらゆる内装材を販売(塗装可)
  • 造作材 … 内装材に合わせた窓枠や框、巾木等の造作材のプレカット・一括納品
  • ひのき柾目・巾接板 … 家具類やカウンターに使い勝手の良い巾接板(オーダーカット可)

杉・桧を主原料に国産材に特化し、様々な木材製品を加工・販売していますのでお気軽にお問い合わせください。DIY用木材1枚から公共建築物の木材供給まで幅広い実績があります。

「木のことで困ったら森の学校に相談してみよう」そう思ってもらえる材木屋でありたいと願っています。

西粟倉・森の学校へのお問い合わせフォーム

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TEL|0868-73-0338(担当:ニシオカ、ホンイデン)

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