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ヒトテマキット開発秘話 自分の道具を自分で作る、ゆたかな暮らしへの憧れを商品化

「カトラリーを自分で作ってみたいと思っていたんです」
「ヒトテマキットは誰が開発したんですか?」

ヒトテマキットに興味を持ってくださったお客さまからこんなふうに言っていただけることが増えてきました。

開発担当者である私自身はDIY初心者の子育て中の母ですが、だからこそ「子どもも大人も誰でも簡単にカトラリーを作れるような商品が欲しい」と思ったことが商品開発のきっかけでした。

開発のきっかけは「木のスプーンを自分で作ってみたい」

きっかけは数年前、夕食にお呼ばれした友人のお家でのことです。

そこにはすてきな器や鍋、手づくりの木製カトラリー、小物がおしゃれな雑貨屋さんのように並んだキッチンがありました。美味しい匂いがふわふわと漂っていて、そんな暮らしをとても羨ましく思ったのです。

そして「自分も木でスプーンを作りたい!」と、すぐに角材とノコギリを用意してみたものの、数年経ってもノコギリを箱から出せないままだったのでした。

  • ノコギリを使うと粉が舞うし、どこで作業しようかな…
  • スプーンが自分で作れたら素敵だけど、どれくらい時間がかかるんだろう…
  • ノコギリ要らずで、削って磨くだけで食器がつくれるようなものが欲しいな

面倒くさがりでDIY初心者の私でも簡単にカトラリーを作れるようになりたい。

その思いからヒトテマキットは生まれました。

何度も試作を繰り返して完成したDIYキット

思い立ったら即行動!といきたいものの、商品開発は簡単には進みませんでした。

  • どんな樹種が適しているか … 硬すぎると削りにくい、柔らかすぎると耐久性が低い
  • 簡単すぎても難しすぎても面白くない … 大人はもちろん子どもでも楽しめるモノづくりの時間を提供したい
  • どんなラインナップにするか … スプーンやフォークはもちろん、利用頻度と作りやすさのバランスが難しい

試作を作っては自分で削り、スタッフや子どもにも使ってもらいながら細かな微調整を繰り返しました。

もちろん商品として販売しますからパッケージづくりや原価計算にも時間が掛かりました。

「私が欲しいと思っている商品だからといって、お客さまは買ってくれるのかな?」と不安になって手が止まってしまうこともたくさんありました。

ようやく商品として完成した時には、カトラリー作りがずいぶんと上手になっていたものでした。

開発当初は彫刻刀を握るたびにできていた手のマメもなくなった頃でした。

自分で作るから自分で直せるカトラリー

新しく作った木のスプーンを子どもに見せると「僕はこっち」と嬉しそうにスプーンを取ってご飯を食べてくれました。

その様子を見ながら「ちょっと使いにくそうだな」「もう少しあそこを削ってみようかなぁ」と思ってスプーンをすこしだけ削ってみます。

その繰り返しが彼らの口や手に馴染むことに繋がっているはずです。

私は木の食器には仕上げのオイルを塗らずに使うようにしています。

経年変化がどうなっていくのかとワクワクしながら、日々を過ごしています。

木の食器はプラスチックやステンレスと違い、自分で修理することができます。

プラスチックやステンレスよりはメンテナンスに気を使うかもしれませんが、その手間も慣れてくると心地良いものです。

また少し時間をつくって、次はどんな木の食器を作ろうかなと思わせてくれます。

ご使用後は、早めに水または、ぬるま湯で洗うようにしてください。

日頃から食用油(オリーブオイルなど)を、十分に乾燥させた食器にしみ込ませてメンテナンスをしていただくと、汚れが染み込みにくくなり、変形や割れを防止します。

作る時間が暮らしの一部になり 自分をつくる時間になる

モノづくりは忙しいなか時間を費やすことになりますし想像以上に大変です。

でも、その時間や苦労は自分自身のことを見つめなおすきっかけになるし、何でもない日常を尊いものだと気づかせてくれるはずです。

コーヒーを豆から挽き、お湯の温度や注ぎ方に気を使いながら「美味しくなーれ、美味しくなーれ」と心で念じて、ハンドドリップしたり。温めておいたお気に入りのカップにコーヒーを注ぐように。

大切な人に「美味しい」と言ってもらえる幸せはこの上ない喜びを感じます。

暮らしの中のひと手間は幸せをつくる時間だと思えます。

ヒトテマキットは1日で無理に作ろうとせず、お風呂上がりの毎日15分など、毎日少しずつ作っていくのがおすすめです。

お気に入りの音楽を流し、温かい飲みものと一緒に、木と向かってください。

友達とどんな形になっていくか見せ合いながら楽しくお茶をして過ごすのも良いかもしれません。

作るという時間が暮らしの一部になり、自分をつくる時間になっていくはずです。

ヒトテマキットはヒノキの間伐材から生まれます

ヒトテマキットの材料となる木は、ヒノキの間伐材です。

西粟倉・森の学校はフローリング等の住宅用内装材を中心に製造する木材加工会社です。

50年以上も世代を越えて育てられてきた1本1本の丸太を使い切ってお客さまに届けたいと思いながらも、どうしても製造過程で製品として販売できない木材があることも事実です。

ヒトテマキットは木材製品として販売できない欠点のある木材を短くカットしてレーザー加工機でくり抜いて作っています。

レーザー加工機やヒトテマキットという商品が無ければ利用できていなかった木材を使い切ることができるようになりました。

イベントの木工体験キットとして選ばれています

開発当初は私自身がそうであるように子育て中のママを想定していましたが、発売してみると、イベントでもお使いいただけるようになりました。

・店舗で定期的にワークショップを開催しているので使ってみたい
・自社の施主OBOGさまのイベントで木工体験として使いたい

雑貨店の定期的なワークショップイベントや施主OBOG向けの工務店の感謝祭などでお使いいただいています。

最近ではキャンプ需要が増えたこともあり、グランピング施設でお使いいただいたり、焚き火を囲んでヒトテマキットを作っていただくことも増えています。

ヒトテマキットを作る際に発生する木くずはもちろん木ですから、燃やすこともできますね。

初心者さんも安心の説明動画を公開しています

初心者さんでも安心してヒトテマキットを楽しんでいただけるように説明動画をつくりました。

すべての商品の説明動画を公開していますので作りたいヒトテマキットを選んでご覧ください。

YouTubeで動画を観る

スプーンやフォーク、お箸やえんぴつなど 全15種類のラインナップ

ヒトテマキットは現在、全15種類のラインナップで展開しています。

デザートスプーンデザートフォークが定番の人気商品ですが、小さなお子さんでも紙やすりで磨くだけで完成させられるこどもばしや上級者向けのディナースプーンディナーフォークなどもあります。

自分で鉛筆芯を詰めて削って作るえんぴつもありますよ。

彫刻刀やクラフトナイフが持っていないというお客さま向けにはじめるキットという彫刻刀とクラフトナイフがセットになった商品も販売しています。

夏休みの木工体験に、秋の夜長のモノづくりに、ヒトテマキットで自分の道具を自分で作る楽しさを味わっていただけたら嬉しいです。

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